6年ぶりに見た「魔法少女まどか☆マギカ」は、リーダーにとって多様性と価値観を知る良質なコンテンツだった

6年前、このアニメが話題になっていました。
魔法少女というタイトルとは裏腹に内容はダークファンタジー。

「なんかすごかったアニメ」という印象はあったのですが、何がすごいのか?は説明できず。モヤモヤしてました。

そんな時、最近Amazonプライムビデオに追加されており、再視聴。

ちょっと、すごすぎて鳥肌モノでした。

基本的に私はアニメから何を学べ、明日からどのようにビジネスに活かせるのか?という点に注目して見ています。ある意味学びの研究対象です。

私にとって6年という月日は仕事やプライベートでも色々変化し、成長し、知識も増え昔に比べて感じ方も変わったのだと思います。

そんな「魔法少女まどか☆マギカ」は今、どんな人に見てほしいのか?

まずは、あらすじから、、、

あらすじ

願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に描く。本作はすでに類型が確立している魔法少女ものというジャンルに新たな切り口を導入することを意図した作品であり[4]、題名に魔法少女を冠してはいるが、いわゆる魔法少女ものというよりも魔法少女をモチーフにしたダーク・ファンタジーとしての作風が色濃い[2]。「マギカ (Magica)」は、「魔法の」を意味する形容詞「magicus」の女性形。via:魔法少女まどか☆マギカ – Wikipedia

魔法少女まどか☆マギカは組織を率いるリーダー、そして経営者に見てほしい

何が学べるのか?一言でいうと、
リーダーシップ開発と、倫理と価値観である。

今の時代「多様性をどのように受け止めるのか?」「様々な価値観があるということを知り、どのように人々を率いていくのか?」

これらの事が非常に重視される時代になってきました。

そこで重要になるのが価値観です。

魔法少女まどか☆マギカは登場人物一人一人の価値観を色濃く表現します。その価値観は理解しやすいものもあれば、ありえないと感じることもあるかもしれない。

そういった登場人物たちの「価値観」の違いがコアな共感と非難を生み、そのブレが視聴者の気持ちを激しく揺さぶったため印象深い作品になったのだと思います。

よって物語を自分の価値観というモノサシで評価しているレビュワーは共感できず悪い評価を付けているだろうし、評価が高いレビュワーは登場人物の誰かの価値観と合致し、強い共感を得たのかもしれない。

つまり、このレビューのブレが物語っている通り、どんな作品でも人によっては多種多様で感動するポイントも何もかも違う。これが価値観の違いである。

それでは、魔法少女まどか☆マギカではどのような価値観が存在し、リーダーシップとどのようなつながりがあるのか?

魔法少女まどか☆マギカの主人公たちは何に悩んでいるのか?

本当の自分自身に素直になるにはどうしたらいいのか?

ということ。

しばしば我々は他人に押し付けられた人生を歩もうとしたり、思い込みで盲信したり、自分自身を誇示することをゴールだと見誤る。

会社勤めをしていると「それはやりたいことなのか?やらされていることなのか?」とふと思うことがある。

そんな時は自分自身の内なる声に耳を傾ける。一体何を自分は大切にしたいと思っているのか?自分の心の拠りどころとなっているのは何なのか?

魔法少女まどか☆マギカでは、魔法少女になればどんな願い事でも一つ叶えてくれる。その願いをどんなものにするのか?なぜ願うのか?なぜ魔法少女になろうとしているのか?それは誰のためなのか?

と、自分や周りに対して溢れんばかりの問いの応酬にあう。

自分自身、自分のこと、周りのことを彼女たちのように悩みつくしたことがあるだろうか?理解しようと思ったことはあるだろうか?

リーダーは価値観が一人一人違うことを知らなければならない

価値観は違っていい、
今まで生きてきた道、影響を受けた人、やってきたこと、様々な経験の中でその人の価値観は形成される。

価値観は指紋のようなものであり、強制するものではない。

リーダーは組織を率いる時、同じベクトルへ組織を方向付けようとする。その考えは正しい。会社が利益を上げるためにエネルギーを注ぐ方向性を合わせるのは必然だからだ。

しかし、その手法には最善の注意を払うべきである。

メンバーが大切だと思っていること、成し遂げたいと思っていることを、あなたの価値観をベースに評価し、「普通」という枠組みに合わせてはならない。

たとえそれでチームの価値観が変わったように見えても、それは見せかけであり、あなたがいなくなれば元に戻るし、一時的な効果しか得られない。

そもそも「行動する」のはその人自身であり、「決める自由と権利」もその人の心の中にある。

魔法少女まどか☆マギカではどうだろうか?

魔法少女に契約するためのキュウベイは決して強制しない。あえて選択肢を与え続けているだけ、きっかけを与え続けているだけ、決めるのは彼女たち自身だ。

彼女たちを魔法少女にするための目的はキュウベイにもある。私たちの価値観のレンズでそれを聞いた時、信じられないような目的であり、吐き気のするような内容かもしれない。

キュウベイは宇宙のため
彼女たちは自分のため、友人のため、家族のため、愛するもののため

願いや目的は違えど、その人の価値観によってそれは選択されている。だから、誰が正しくて、何が間違っているのか?それを考えジャッジする資格は私たちにない。

歩んできた道で価値観や志は違う。

しかし、キュウベイの目的も企業経営者の目的も視座を上げて見てみれば大して変わらないのかもしれない。

利益を享受する者がいれば、損する人も必ず存在する。

一見企業が世界全体のためになるようなビジョンを掲げ、様々な人の生活が便利になる社会を作り出したとする。
しかし、便利になるということは今までその仕事をしていた人たちは必要なくなり、誰か少数の不幸のもと、多くの人の幸せが成り立っていることを知る人は少ない。

ハーバード白熱教室でもあった話題の議論「これから正義の話をしよう」でも同じ学びがある。

あなたは時速100kmのスピードで走っている車を運転しているが、ブレーキが壊れていることに気付きました。前方には5人の人がいて、このまま直進すれば間違いなく5人とも亡くなります。横道にそれれば1人の労働者を巻き添えにするだけですむ。あなたならどうしますか?サンデル教授は、架空のシナリオをもとにしたこの質問で授業を始める。大半の学生は5人を救うために1人を殺すことを選ぶ。しかし、サンデル教授はさらに同様の難問を繰り出し、学生が自らの解答を弁護していくうちに、私たちの道徳的な根拠は、多くの場合矛盾しており、そして、何が正しくて、何が間違っているのかという問題は必ずしもはっきりと白黒つけられるものではないことを明らかにしていく。via:ハーバード白熱教室 第1回 「殺人に正義はあるか」 Lecture1 犠牲になる命を選べるか – id:gule

私たちに他人をジャッジする資格はないのだ

これらを踏まえて、あらためて我々は魔法少女まどか☆マギカから何を学ぶのか?

価値観は合わせるものではなく、個人の多様性と理解することである

よってリーダーは価値観を強制しない。
価値観は尊重しつつ、組織が進むべき方向性は経営理念、社是、ビジョン、戦略、戦術等、それらを成し遂げるために必要な「企業の共通価値観」を形成して突き進めばいい。

ただし、個人の価値観醸成には多大な時間がかかっている。企業の価値観醸成にも時間がかかる。

しかし、はじめに採用する人たちから「企業の共通価値観」への理解や共感が得られていれば、その組織を作るためのエネルギーは抑えられる。

つまり、リーダーは個人の価値観を尊重し、経営者は企業の共通価値観に心底共感した人を採用し続ければいい。

能力は後からいくらでも鍛えられる。
しかし価値観は矯正できない。

そうなればいくら能力が高くても、そのパワーを会社が向かうべきベクトルに全てを注ぐことはないだろう。そうなれば、半人前でも全てを注いでくれる社員を雇った方がよっぽど将来的価値が高い。

誰をあなたのバスに乗せるのか?

リーダーや経営者はこの事をしっかりと心に刻み、仲間を率いていこう。

さいごに

Amazonのレビューに「魔法少女まどか☆マギカなんども見てます!」というレビューがチラホラ存在した。

私は同じアニメを何度も見ることはないのですが、あまりにそういった評価が多いので今回チャレンジしました。

結果、すばらしい学びが得られました。

この物語は「どの登場人物の価値観に注目して視聴するのか?」によって感じ方が全く違ってくる。

だから何度見ても新鮮で奥深い気持ちになる。

また、価値観は形成されたから確定ではなく、生きていく上で変化もしていく。だから数年たって見てこの作品から感じる感想や心に響くセリフが変わってくるのかもしれない。

6年前はキュウベイは最悪のやつという印象でした。

しかし現在の私はそう捉えず、ひとつの価値観の形として客観視できました。

何度見ても学べる、気づきが多い作品「魔法少女まどか☆マギカ」

ぜひ、ビジネスリーダーに強くオススメします!

では、また

魔法少女まどか☆マギカはAmazonプライムで無料で見れます!

Posted from するぷろ for iOS.

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