ピクサーと言えば「トイストーリー」「バグズライフ」「ファインディングニモ」「Mr.インクレディブル」など、どれも華やかなヒット作を生み出す素晴らしいクリエイティブ企業のイメージが強い。
また、Apple社から追い出されたスティーブ・ジョブズが「ピクサー」を有名にし、Appleに華々しく返り咲いたというイメージが強かった。私もずっとそう思っていた。
本書はその企業イメージがいかに上部だけだったのか心底痛感させられた。ピクサーのストーリーは衝撃的で、スリリングで、感動的で、困難極まりない道だった。読了後にはあらためて「ピクサー」というクリエイティブな企業に敬意を称して映画を見にいきたくなった。そして、必ずエンドクレジットを最後まで見たい。
ピクサーの波乱万丈
本書の著者はローレンス
1994年シリコンバレーのEFIという会社で、副会長兼最高財務責任者として仕事をしていた。誰もが羨むような地位と名声と富を手に入れている人物だ。
そんな彼に突然1本の電話が入る。
「もしもし、ローレンスさん?」
「はい、ローレンスです」
「スティーブ・ジョブズです」
「雑誌であなたの写真を見かけ、もしかして仕事をご一緒できないかと思いまして」
ジョブズから急に直接電話?なぜ?
この1本の電話から、どん底にいたピクサーを立て直し、世界最高のアニメーションスタジオに成長するストーリーが始まった。
ピクサーとジョブズを知る人なら、これほどまでワクワクする導入に食いつかないはずはないと思う。
私は何にワクワクするのか?
仕事を選ぶ定義は何だろうか?富、名声、スキルアップ、人、様々な理由があるだろう。
そんな中、この本から私が受け取った問いのメッセージはこれだった。
いま、その仕事にワクワクしているかい?
ピクサーは累積赤字5,000万ドル、毎月ジョブスに足りないお金を報告して振り込んでもらわなければならない。利益も成長もなく、ディズニーからの不合理な契約で好き勝手に身動きも取れない。
ただ、そんな会社の中には夢がつまっていた。子供のようにキラキラした目で作品を作っている社員がいた、どんな場所でもクリエイティブを追求し続ける仲間たちがいた。
必要なのは、その夢のかたまりを前に進める手法と推進力。道は困難極まりないが、その際の未来を想像するとワクワクがとまらない。ローレンスは今までの富と名声を捨て、自分の心の本心にある他垢ワクワク」にすべてをかけてみた。
私も、今ワクワクしていることは何か、ワクワクさせるためには何が必要か、どうすればいいのか、ワクワクしながら考えたくなった。
そんな気持ちにさせてくれたのが本書だ。
ピクサーと、アニメ「SHIROBAKO」の親和性
アニメ「SHIROBAKO」について、
『SHIROBAKO』(シロバコ)は、P.A.WORKS制作、水島努監督による、日本のオリジナルテレビアニメ作品。2011年制作の『花咲くいろは』に続く「働く女の子シリーズ」第2弾である。
キャッチコピーは「アニメーション業界の今が、ここにある。」[4]。
題名の『SHIROBAKO』は、制作会社が納品する白い箱に入ったビデオテープ[注 2]を指す映像業界の用語である「白箱」に由来する。白箱は作品が完成した時に関係者が最初に手にすることができる成果物であり、本作は白箱の完成を目指して日々奮闘するアニメ業界の日常を、5人の夢追う若い女性を中心に描いた群像劇であるvia:
ピクサー本書ではアニメーション業界の厳しさは記載されているがあまり深くはない。
ただ、ピクサー社員が何年間も日が当たらない場所で、クリエイティブ精神を高めながら作品に没頭していく凄さは感動的だ。アニメ「SHIROBAKO」はその業界の「中のこと」、渦巻く感情、厳しさ、その先にある作品を生み出す感動を追体験させてくれる。
アニメ業界の深さを知りつつ、ピクサーを読み進めれば、これほどまで相性の良い2作品はないだろう。
ぜひ子供と一緒に合わせて楽しむことをオススメしたい。
さいごに
ピクサーは本の要約サービス「flier」でも読むことができる。
まずは要約の触りだけでも読んでみて、ワクワクする世界に片足をつっこんでいただきたい。
では、また
スキマ時間に読めるビジネス書「10分要約サービスflier 」
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