理論ばかりにこだわって商売に入るのは、いささか順序が逆のような気がします。理論は実践の後についてくるものだと思うのです。
商売人の手法というのは、現場で、自分の肌で感じとって自然に身につくものではないでしょうか。
「多くの経験は多くの理論に勝る」というのが私の信条です。
売れる商品の見つけ方
普通のサラリーマンがこの事に関して深く考えることは少ないのではないでしょうか?
どちらかと言うと、「売れるだろう商品の売り方」の方に目線が行き、手法・ノウハウ・理論など、
売るための”行動”にスポットを当てて考えているような気がします。
私が『35年間に38回のミリオンセラー(100万個)を達成した男』の本を読んで感じたことは、
商売人のメソッドを学ぶ商売人のための良書としてだけではなく、
常に消費者目線に立ち、お客様の小さな不満を糧に最高の解決策へ導く魔法のようなストーリーが構築できる思考になるかもしれないきっかけ
が学べました。
『売れる商品の見つけ方から学ぶ、売れない商品を売るための7つの考え方』
- 危機が一段落したときが大事
- 一歩引き、客観的に見つめる
- 商品は改良していって初めて”売れる”
- 現代と過去をミックスさせ未来を創造する
- 図鑑はデザインの最高の教科書
- 強みを活かす
- 模倣を臆するな
1,危機が一段落した時が大事
誰もが、のど元過ぎて熱さを忘れた時にこそ、とことんこだわって頭を使うべき。
商品は買うまでの盛り上がりが最高に楽しいですよね。
ただし、買ってしまったら、その瞬間が一番のピークで、
後は現実と想像のギャップを埋める作業になってしまいます。
その時、自分の想像より商品が劣っていたら・・・・熱が一気に覚めてしまいますよね。
そうなる前に、その商品の付加価値や、お客様のライフスタイルから導き出せる新しい機能や環境を提案できたりしたら
さらなる満足につながるのではないでしょうか?
2,一歩引き、客観的に見つめる
人とは違った視点を持ち、あえて冷めた目で観察して舞台裏を覗いてみると、意外なムダや改良の余地が見えてくるだろう。
熱狂すると人は盲目になりやすい。
思い込みで”この商品は最後だ!”と、半ば催眠状態でお客様の気持や環境を考えず、商品を押し売りしてしまうと
一時的な満足感が得られてもその後の円滑な継続利益は見込めなくなってします。
お客様商売は信頼第一、自分よがりの商品拡販は諸刃の剣です。
会社に洗脳され自分が売りたくない商品を売り続けるのではなく、その商品を客観的に見つめ、否定や批判ではなく
発展的向上するような商品の改良提案を思い切ってしてみたらどうでしょうか?
本当にお客様のために真剣に考えた事なら、その想いが無駄になることは少ないと思います。
3,商品は改良していって初めて”売れる”
まったく新しい商品のニーズが、最初からあるわけはない。それは、販売以降に作り出すものである。
商品に慢心は厳禁
完璧な商品を創りだしたと思っているのは開発者のエゴであり、その商品を世に生み出してから
お客様と商品を育てていく心を持つことが、私達すべての幸せにつながるのかもしれませんね
4,現代と過去をミックスさせ未来を創造する
昔の人の知恵は侮れない。レトロなものが、今の時代に本当に通用しないのかどうかを見直してみよう。
クラシック音楽など素晴らしい音楽は過去に出尽くしている、
しかし、それに満足しているのではなく常に考え過去と現在とミックスさせ新しい音楽を生み出している。
完全オリジナルは難しいです
数々のアイデアを少しずつ模倣させ、そこに今まで他の人が思いつかなかった”小さな幸せ”を感じさせることが
出来る要素をそっと盛り込んであげればきっと現代に最適な商品になってくれると思います。
5,図鑑はデザインの最高の教科書
動物の写真・植物の写真・自然の写真
どれも私達が見て”すばらしい”と思えるような生き物や風景には、心地良く感じる”雰囲気”や”色合い”があります。
机上でカラーピックをパラパラめくったり、デザイン本を何冊も重ねて頭を悩ませるより、
今存在する要素からアイデア・ヒントをいただき商品へ反映させるほうがよっぽどスマートな気がします。
奇抜な色合いでも、シックな色合いでも、最高の配色配合は自然界が教えてくれます。
そっと図鑑を開いてみれば楽しいアイデアがいっぱいですよ(^^♪
6,強みを活かす
相手の能力を引き出すための「ひと手間」を惜しまなければ、いずれは互いに喜びあえる関係を構築できるだろう。
弱みを避難し、ヤル気を失わせるより、強みを引き出しそれを強化し仕事に活かす。
そして弱みは周りがフォローしてあげれば作業効率とモチベーションが上がりビジネスが円滑にまわるのではないでしょうか?
7,模倣を臆するな
「基本⇒模倣⇒発展⇒新基本」
良い商品には”変わらない優しさ”が必要
良いところは残し、簡単な工夫を加えることにより今までよりバツグンに使いやすくなることもある。
模倣から学び、商品メソッドへ組み込む勇気がヒット商品が生まれるきっかけなのかもしれません。
最後に
今回の著書は整然と理論が述べられている方法論的ビジネス書ではなく、
大阪の小さな貿易会社「永光」の社長の”成功と失敗経験”を惜しげもなく書き綴ったもの、
手法を押し付けてくるビジネス書とは一風変わって、その社長の物語に引き込まれていくお話です。
物語は読み手によって感じ方が多種多様
ですから読者によってはもっともっと色々感じることが出来る奥深い本だと思います。
「多くの経験は多くの理論に勝る」
というように、読んだら早実行!をモットーに今日から自分の考具として活用させていただきます。
ありがとうございました♪
講談社
売り上げランキング: 38175