Engadgetで以下のような記事が取り上げられていた。
Maestri氏は「当社が何度も述べてきたように、私たちの目的は、人々の生活を豊かにする素晴らしい製品とサービスを提供することであり、ユーザーが満足し、熱中し、夢中になるような比類なき体験を提供することにあります」via:アップル、今後はiPhoneやiPad、Macの販売台数を公表しないと発表。「事業の強さの指標とならないから」 – Engadget 日本版
Appleはモノ売りからコト売り強化に?
今までの飛躍的Appleの売上を牽引してきたのは「デバイスの販売数とプレミアムな価格、徹底的に抑えられた原価による高粗利」である。
しかし、近年競合がひしめき、iPhone発売当初のような訴求力は弱まっている。そんな中、モノ売りを前面に出している戦略、市場評価で良いのか?とAppleは問い始めたのだと思う。
Netflix (ネットフリックス) やAmazonプライムなどディスクリプションで稼ぐビジネスモデルが定着し始めてきてもコンテンツの弱さやプラットフォームの偏りから「映像」「ミュージック」ともにコンテンツ不足は否めない。中途半端なサービス拡充はディスクリプション型ビジネスにおいてユーザーの離反を招きかねない。
その危機感からか、中途半端な戦略ではなくあえて「販売台数を公表しない」という戦略を打ち出した意気込みに応援したい。
この発表により株主はAppleを測る指標の一つを失い、右往左往しAppleのウワバミしか見ていない株主は退場してくれるからだ。
Appleのモノ売りにしか賛同していない株主は去ってくれてもいい。しかし今後のAppleを応援したいと思う株主さん、どうぞ来てください。
というスタンスにも見えた。
企業はステークホルダーを大切にし、特に株主の声に敏感に反応しがちだが、Appleの思想はユーザーフレンドリーであって株主第一ではないとユーザーの僕も感じる。
短期的に見れば株価の下落を招くかもしれないが、あとからテコのようにじわじわと聞いてくるディスクリプション型のビジネス拡充にはとても期待したい。
現在僕も利用しているiCloud Driveストレージプランだが、50Gで月額130円という驚異の破格だ。今現在2TBが1,300円だが、サブスクリプションの収益が増え、キャッシュがサーバー側に回せるようになれば将来2TBが130円になるかもしれない。
すると、今現在64G、256G、512GとiPhoneやiPad Proの本体ストレージはすべてiCloudへ移行し、デバイスのストレージはあまり必要なくなるので本体価格が下げられるかもしれない。つまりiPhoneやiPad Proを手にできるユーザーがこの段階から急上昇するポテンシャルを持っているのではないだろうか。
仮に64GだけのiPad Proに統一されれば部品の調達も一元化し、大量購入、大量生産するAppleの買い手の交渉力強さからさらなる高粗利を稼げるようになるだろう。
つまりAppleはサービスを拡充させ、顧客数を増やす、キャッシュを生み出し、製品ライナップの平準化を図る。その結果原価をさらに抑えた商品を武器にハード顧客、サービス顧客を増やし、さらなるサービス拡充へと好循環させるのではないだろうか?
結果的にiCloudにデータを貯めるユーザーが増えるということは、AppleもGoogleのような「ユーザーの情報」という知見をしたたかに得ようとしている。それらの情報はさらに整理されてユーザーに還元されることとなるが、そのサイクルに巻き込まれていると気づいた時にはもうAppleの戦略と好循環サイクルから逃れられない枠組みに絡み取られているような気がする。
ただ、僕はAppleファンなので、株も期待しているし今後もiPhoneやiPad Proを楽しんで使おうと思う。
では、また
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