地方創生という言葉が数年前から飛び交い、SDGsの言葉もだんだん浸透してきており、ここ最近でも様々なニュースが飛び交っている。
日本中でいま「地方創生」が大失敗している根本的理由(藤野 英人) | マネー現代 | 講談社(1/6)
【新閣僚に聞く】北村誠吾地方創生担当相「地域の強み生かし活性化」 – 産経ニュース
そんな中、イマイチこの「地方創生」という言葉にピンとこなくて、でもどうせ仕事をするなら社会貢献や地元、田舎にコミットしたいっ!と考えている人たちも少なくないだろう。
そんな中、マスメディアや小難しいニュースでとっつきにくさを感じるのではなく、町おこしのアニメや、商社のエリートが田舎を盛り上げる小説を読んでワクワクする方が良いのではないだろうか?
サクラクエストとは?
就職活動に苦戦していた木春由乃は、以前アルバイトで登録した派遣事務所からの依頼をよく知らずに引き受け、田舎町・間野山で1年間ミニ独立国の国王を務めることになる。間野山はかつて観光客で賑わっていたが、今では寂れていた。由乃は間野山で出会った四ノ宮しおり、元女優の緑川真希、商店会会長の孫の織部凛々子、WEBデザイナーの香月早苗たちと共に間野山を再び活気づける町興しを企画していく。via:サクラクエスト – Wikipedia
言わば、少女たちが田舎の住人たちと試行錯誤しながら体当たりでぶつかり、時には失敗し、時には喜ばれ、そんな揉みくちゃになりながらも「想い」と「行動」で町を復興していくお仕事シリーズアニメだ
プラチナタウンとは?
高齢化社会と地方の過疎化をテーマに、破綻寸前の故郷の町の町長に就任した元エリート商社マンの山崎鉄郎が町の財政再建を目指す姿を描いた社会派エンターテイメント作品である。2015年10月に本作の続編である『和僑』が刊行された。via:プラチナタウン – Wikipedia
これのドラマ版では俳優の大泉洋が出ているので、小説を読んでもいいし、ビデオを見てもいい。
Amazonより
大手総合商社・四井商事の部長・山崎鉄郎は、社員採用試験をめぐるちょっとした手違いで出世コースから外されクサっていた。そんな折、中学時代の同級生・熊沢から、故郷である東北の田舎町・緑原町の町長になってくれと懇請され、酔った勢いで承諾した。エリート商社マンの職を捨て故郷に戻った山崎は、みごと町長に就任したが、生まれ育ったその緑原町は、莫大な借金をかかえた財政破綻寸前の自治体だった。私腹を肥やそうとする町議会のドン、さらに田舎特有の悪弊・非常識と闘いながら、山崎は町の再生を期して仰天の計画を案出する。それは老人施設を中心にした巨大テーマパークタウンの建設だった……。鋭い社会分析と卓抜のアイデアで評判を呼び、WOWOWでもドラマ化された傑作小説が待望の電子化!高齢化ニッポンに生きる現代人必読の1冊!via:プラチナタウン (祥伝社文庫) | 楡周平 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
これはリアル
現代社会に住む我々に本当にリアルを小説で突きつけてくれる良作。
会計で考える地方創生
地方がなぜ過疎化、高齢化に陥るのか?
そうなった時どのような判断が必要なのか?
地方創生、町おこしといっても、やることの本質は経営である。
ヒトモノカネをどう回して町を大きくしていくのか?住みやすい場所にしていくのか?
会計で例えよう。
営業キャッシュフロー
「何で稼ぐのか」を考える。テーマーパークを作ってもいい、温泉も作ってもいい。ただ、作るだけではなくしっかり売り上げ、そして営業利益、つまり翌年使える金を積み上げる町の運営が必要になる。何かを作った年だけ儲かっても意味ない。継続的に人やモノを流し、経済を循環させなければならない。
投資キャッシュフロー
お金をどう使うのか?それが「投資キャッシュフロー」。道路を直す、工事をする。必要であり、これは「投資」。だが必要なことばかりやっていてもお金は生まれない。だから町にお金が回すために「何かを作る」「サービスを考える」など、町に訪れる人、町の人がお金を払う「提供価値」があるモノ、コトを生み出していく必要がある。
リスクをとって温泉街作って大量の観光客を誘致して稼ぐ計画を立てるのか、それともテーマパークを作って継続的に若い人を呼び込むのか?
お金を使う用途は沢山ある。ただ、作ったからにはそれを運用しなければならない。つまりオペレーション戦略が必要。それらのビジネスを回すための人はその町にいるのか?指導する人は?環境は?障害は?
考えることは多く、行動と結果はそんなに単純じゃない
財務キャッシュフロー
一般的に自己株式取得とか配当金とか色々あるけど、町おこしで考えるなら「国からの支援金」と「借入金」だろう。それらがどれだけ入ってきて、借り入れるならどれくらいの頻度と利率で返していくのか?借りているのか?
つまり、血液のようにお金が流れているなら「止血」するために無駄な経費や人件費を絞らないといけない。
指標の見方で混乱しやすいけど、マイナスなら「借入金を返済している」。プラスなら「借り入れた」から、となる。
重要なのはプラスになった借入金を何に使っているのか?これを町の経費や人件費に使っているようなら危ない。もう自転車操業状態。
一方で、未来につながる投資に使っているなら?リスクはあるけど攻めの投資だから良い。
という見方になる。
そういった財務的視点を認識しつつプラチナタウンを読み込むとさらに面白さ、奥深さが分かるだろう。
サクラクエストとプラチナタウン
どうつながるのか?
つながりというより、緩急だと思う。プラチナタウンはとても読みやすいけどリアルな現代社会に切り込む、より自分に近い話。
一方でサクラクエストはアニメの世界、ありそうだけど、仮想世界だから何だか一歩引いて「田舎って大変だよねー」というスタンスで見てしまいがち。
それではもったいないっ!
だからプラチナタウンを読みながら、サクラクエストを見ると、町おこしスタンスの違いと、アニメと言えども真剣に取り組んでいるプロセスについて非常に勉強になる。
言わばこの作品は視座の違いで見れると思う。サクラクエストはとても小さなことでもやっていることはすべて「町おこし」につながっている。
プラチナタウンは、もっと町を経済的に捉え、真剣に経営して全体最適に持っていこうとしている。言わば町おこしの経営版だ。
そんな視座の違う両極の作品は全く別の世界で起きていることながらも、人によってはこういったことでも「町おこし=地方創生」につながるんだね。とハードルを下げてくれる気がした。
よって、プラチナタウンだけ見て、
「やっぱり地方創生って大変だなー」「すごいなー」で終わるのではなく、サクラクエストも見て、小さな行動でも一人一人意識して取り組めば地方創生につながるんだ!と、自分ごととして捉えてほしい。
この2作品を合わせて見るからこそ、各々の行動につながる気がしました。
さいごに
サクラクエストは子供にも是非オススメ、心温まるストーリーに溢れているので、出てくる個性豊かなキャラたちを通して地方創生や町おこしに興味を持ってくれるのではないでしょうか?
では、また
Posted from するぷろ for iOS.