本書が与えてくれる知見を一言引用するなら
「AI新時代において勝者と敗者を分ける知識が提供される」
となる。何が勝者で敗者なのか?の定義は本書を読み進めてもらえばわかる。重要なのは、自分とテクノロジーの置かれている立ち位置が「わからない、説明できない」ことが危機であり、まずは地に足をつけどう進むかを一緒に考えることができる本だ。
企業が今後育成したり採用したりしなければならない8つのスキルとは?
8つの融合スキルとは 、以下である 。
- 人間性回復スキル (人間にしかできない作業や 、学習に費やす時間を増やすために 、業務プロセスを再検討すること )
- 定着化遂行スキル (個人や企業 、社会のあり方に沿ったものになるように 、人間とマシンのコラボレ ーションの目的と認識をつくること )
- 判断プロセス統合スキル (マシンが持つ不確実性の中で 、行動を選択していくこと )
- 合理的質問スキル (必要な知見を得るために 、 A Iにどう質問を投げかければ良いのかを理解していること)
- ボットを利用した能力拡張スキル ( A Iエ ージェントとコラボレ ーションして 、自分の能力を超えたパフォ ーマンスを発揮すること )
- 身体的かつ精神的融合スキル (コラボレ ーションによる成果をさらに向上させることや 、 A Iエ ージェントのメンタルモデルを構築すること )
- 相互学習スキル ( A Iエ ージェントに新しいスキルを教える一方で 、 A I支援型プロセスの中で上手く働けるようになるやり方を 、実地で身に付けること )
- 継続的再設計スキル (指数関数型の飛躍的なパフォ ーマンス改善を実現するために 、作業やプロ・ボットを利用した能力拡張スキル ( A Iエ ージェントとコラボレ ーションして 、自分の能力を超えたパフォ ーマンスを発揮すること )
そして、次に重要なのがこれらを実行し、組織に浸透させドライブするためにはどうすればいいのか
という点である。
これには5つの重要な原則がある。
5つの原則「M E L D S 」
- 組織のマインドセット
- 実験 (エクスペリメンテ ーション )
- リ ーダーシップ
- デ ータ
- スキル
人間がAIを改良し、スマートなマシンが人間にスーパーパワーを与えるというマインドセットを作り出す。そのマインドの証明のためため実験を繰り返し業務プロセス等を積極的に見つめ直す。その実行には人の力が必要。そのために経営者はコミットし目指す先を示し、教育投資もする。
実行する箱ができたら必要なのは「データ」という燃料。なんでも突っ込めばいいわけではなく、データの良質なサプライチェーンを構築する。
最後にこれらをドライブさせるため前述した8つの融合スキルを磨く
本書は複雑に思えていたAIについてもう一歩踏み込んできてくれる。
まるで日本人がドラえもんやアトムなどロボットに親近感を抱くように、AIを使うことに親近感を抱くようになるだろう。
まずは、「AIやヒト」で奪い合う対象として分けるのではなく、「AIとヒト」というように協業する姿勢を本書から読み取りたい。
スキマ時間に読めるビジネス書「10分要約サービスflier 」
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